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  • 執筆者の写真Hiro M

犬が怖かった私が、呼吸で開放されたわけ



「え……ん」と私は泣きべそをかきながら父に訴えました。


自分がばかなことをしたのに気が付いたのです。


近所の建設現場で飼われていた放し飼いの犬がいつも私が外を歩いていると、寄ってきて、ぎゃんぎゃん吠えていました。10歳の私は子供の知恵を絞り、給食で食パンを1枚残し、その建設現場の横を通るたびに、塀越しにパンを投げ込みました。パンを犬が食べている間に私が走ってその場を逃げられるようにしたのです。


はからずしも、犬は私の匂いをパンから覚えて、私がそばを通るとパンをもらえるのではないかと吠えるようになりました。嫌いな犬を餌付けしてしまったのです……。最悪でした。


何かショックを受けるような状況になるとき、私たちは息を飲むことがあります。その時、体にショックが入り込むという話を最初にブレスワークの先生である、アシャナ・ソラリスからカリフォルニアのシャスタ山でのブレスワークリトリートで最初に聞いたとき、それは本当なのだろうか、と思いました。確かに、これまでの人生で息を飲む瞬間はたくさんありました。だからと言って、それが体に入るなどとは言いすぎなのではないだろうか。アシャナは続けました。


「動物は恐怖を覚えたとき、死んだふりをして息を止める、でも、その後危険が去ってから、恐怖というショックを振り払います。人間はどうでしょうか。ショックを振り払うなどと考える人はいるでしょうか。人間はショックを感じているとき、思考が止まって凍り付き、一種の催眠状態になり、ショックを体に取り込んでしまうのです」


なるほど、私は考えました。確かに、体はショックを記憶します。


10歳の頃犬に吠えられた体験は私の体の中に記憶として残っていました。父が私を連れて建設現場に行き、犬をなんとかしてほしいと直談判したときも、犬は外で吠え続け、私は泣き続けました。だから、大人になっても犬が近づくと、その放し飼いの犬でなくても、体がぶるぶる震えだして、足が勝手にその場から逃げようとしました。頭では、犬は小さいし、つながれているから私を噛むことはありえないとわかっていたのに。


アシャナはさらに続けました。


「ブレスワークの呼吸を止めることなく、体の全体にいきわたらせることによって、その体の記憶が記憶の表面に上がってきて、ああ、そんなことが昔あったな、と認めると、頑なに体が握りしめていたその記憶を体から解放していくことができるのです」


そう、ブレスワークの呼吸はただの呼吸ではありません。


呼吸でリラックスするだけではありません。

呼吸で感情を開放するのです。


アシャナが言うように、胸から呼吸し、呼吸のエネルギーを体全体にいきわたらせることによって、ゆるんでリラックスした体から不要な感情が出ていきます。


不要な感情を開放するとはどのようなことでしょうか。


過去の感情や記憶を再度見て、感じていくことです。

泣いたり、笑ったり、怒ったりすることです。


過去の犬に吠えられた記憶をたどり、子供なりに苦しかったね、と泣いて、感情を開放し、体の中に巣くっていた恐怖を一つ開放するようなことです。


それは同時に、自分の学びを確認する作業でもあります。


その体験から何を学びましたか。

どのように成長しましたか。

そしてどんな風になりたいですか。


ブレスワークでは、私たちの過去で起こったいいこともよくなかったこともすべてそれでいいんだよ、と自分に伝えます。そして、私たちが過去ではなく、マインドフルネスのように今に生きていることを思い出させ、次に未来に進んでいこうというあゆみを優しく後押ししてくれます。


ただ横になって、胸から呼吸をして、体全体に呼吸をいきわたらせることを約1時間続けるだけなのですが、自分という存在を再確認するとても貴重な時間となります。それは体験した人だけにしかわかりません。


呼吸は誰にでもできるかもしれませんが、呼吸を通じて開放するということになると、特殊な「鍵」が必要になります。「鍵」は「フォーカス」すること。


開放したい感情に「フォーカス」する。


これだけで、心が自然に感情を開放し始めます。


なぜ「フォーカス」する必要があるのか?


それは私たちの頭の中にはたくさんの思考があって、思考の海の中からどの感情に注意を向けるのか、大きな「フラグ」を立てないと、開放したい感情が埋もれてしまうからです。


「フォーカス」


ブレスワークに参加するときには「フォーカス」することを考えてきてください。「フォーカス」することが大きく強烈な感情であればあるほど感情の開放は速やかに行われます。例えば、もやもやしているのならば、1週間眠れない、もうどうしてもいてもたってもいられない、頭をかきむしる、くらいのもやもやした状態だったら、きっとブレスワークですっきりするでしょう。犬を見ると人が変わってしまったかのようにぶるぶると震えていてもたってもいられなくなります、というのもいいです。


ただなんとなくブレスワークをしにきました、というのだったら、やめておいた方がいいです。ブレスワークは感情開放のワークなので、小さな何かより、大きな何か、を手放す方がはっきりと、明白に何が起こったのかがわかるのです。お金と時間をかけたのに、何が起こったのかわからないのなら、もったいないでしょう。


悪いことは言いません。なんとなく、なら他のワークをあたる方があなたのためです。


それでもあえてブレスワークに参加したいというのであれば……、

大歓迎です。


きっとあなたは、心の底から人生を変えたいのでしょう。

過去の感情を呼吸で開放し、過去と決別し、新しい未来に向かって歩いていきたいのでしょう。


次回のブレスワークで、

あなたの中の未知を体験してください。


8月25日(日)13:30-16:00

9月15日(日)13:30-16:00

9月23日(月)13:30-16:00

8月31日(土)13:30-15:30(新月のブレスワーク)

9月は新月のブレスワークはお休みです。


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